トヨタ自動車労働組合の創立80周年、誠におめでとうございます。自動車総連に集う78万4千人の仲間を代表し、心からお祝い申し上げます。
トヨタ自動車労働組合は、戦後間もない1946年の創立から今日まで活動を進められる中、労使相互信頼を基本的考え方に据え、職場とともに地道な取り組みを重ねながら、働く仲間の生活向上と産業・企業の持続的発展を両立し続けてこられました。そして、賃金・労働条件の改善、福祉制度の充実、社会貢献活動など様々な面で模範となり、いつの時代も自動車総連の運動を名実ともに先頭に立って牽引し続けてきていただきました。80年もの長きにわたり社会的役割を発揮し、歴史を積み上げてこられました多くの先輩方、関係者の皆さまの並々ならぬご尽力に対しまして、心より敬意と感謝の意を表します。
しかしながらトヨタ自動車にとって、ここまでの道のりは決して平坦なものではなかったと思います。直近10年間を見ても、コロナ禍やカーボンニュートラルの実現に向けた対応、モビリティカンパニーへの転換や認証不正問題等、幾多の困難がありました。しかしそれらを乗り越えてこられたのは、何と言っても常に現場を大事にし、職場の声を踏まえた労使本音での話し合いを活動の中心に据え、徹底してきたからだと思います。実際、コロナ禍で行動制限があり減産を強いられていた中においても、職場では自発的に安全衛生に関わる創意工夫を重ね行動していたと承知しています。この事は、まさに組合活動が職場力を最大限に引き出してきた成果の一端だと思います。自動車総連として、こうした取り組み姿勢はまさに私たちの理想とする形であり、目指すべき労働組合の姿を体現している貴労組が私たちの仲間であることに誇らしさを感じます。
現在、日本の自動車産業を取り巻く環境は、CASE・MaaS、GXやDXへの対応など、かつてない大変革の真っ只中にあります。国内では、技術革新と労働市場の変化が急速に進む中、生産年齢人口の減少に伴いあらゆる分野で人材確保が困難になっています。一方、海外では中国が低価格EVで急成長し競争が激化しており、更に、半導体不足や地政学的リスクによるサプライチェーンの脆弱性に加え、米国の関税政策が日本メーカーに打撃を与えています。今後も競争力を維持していくために、技術革新や生産体制の見直しが迫られており、それと同時に私たちの働き方や雇用にも変化が見られてきています。
自動車総連では、現在「自動車産業の魅力向上」を運動の柱の一つに据えて取り組んでいます。産業・企業がこれからもグローバル競争に打ち勝っていくためには、将来に渡っていかに人材を確保・育成するかにかかっているといっても過言ではありません。自動車産業がこの先も日本の基幹産業としてあり続け、次代を担う若者たちが夢や希望を抱き続けてもらうための取り組みは、すそ野の広い自動車産業が日本経済・社会に貢献する一つの方策でもあると考えています。したがって、私たちはこうした課題を解決するために、様々な観点から自動車産業とそこで働く仲間の魅力を物心両面から高めていく必要があります。組合員やその家族の声にどれだけ応えられるかが、労働組合の存在意義にも関わってくるものと思っています。
しかし当然ながら、こうした取り組みは12労連、1000単組と連帯し、密な連携が無ければ成し遂げることはできません。とりわけトヨタ自動車労働組合においては、自動車総連内で中心的役割を担っていただくことが不可欠です。引き続き、運動を通じてリーダーシップを発揮し続けていただきますことをお願い申し上げます。
最後に、トヨタ自動車労働組合が創立80周年を一つの契機とし、ますます飛躍されますことを心よりご祈念申し上げ、自動車総連を代表してのお祝いの言葉といたします。ともに頑張りましょう。
産業・企業がこれからもグローバル競争に打ち勝っていくためには、将来に渡っていかに人材を確保・育成するかにかかっている
全日本自動車産業労働組合総連合会 会長
金子 晃浩