トヨタ自動車労働組合の創立80周年、誠におめでとうございます。
長年にわたって、会社と自動車産業の発展のため、仲間の幸せのために力を尽くしてこられた労働組合の皆様に、心より感謝申し上げます。
トヨタの成長の原動力は、「現場」で働く一人ひとりです。「もっといいやり方がある」と常に考えて、問題があれば声を挙げ、仲間と知恵を出し合い、現場で改善を重ねていく。そんなトヨタらしい風土を守り育てていくことが、これまでも、これからも労使共通の想いであると思います。
「会社は従業員の幸せを願い、従業員は会社の繁栄を願う」。だからこそ、トヨタ労使の話し合いは、「相互信頼」の基盤の上で、ともに悩み、ともに打開策を模索する「家族の会話」でなければならない。私たちは、2019年の労使協議を経て、その原点の大切さを胸に刻み、意識と行動を変えるべく動き続けてきました。
今回の80周年の節目を、改めて私たちの原点に立ち返って、トヨタらしい労使関係のあり方を
皆で考え、行動につなげていくきっかけにしていきたいと思います。
この2年間は、足場固めや認証問題への対応を通じて、現場の課題に向き合って、一人ひとりが
もっと力を発揮できる環境をつくることに労使で取り組んでまいりました。
私自身、現場を回って強く感じたのは、「声を挙げること」「本音で会話をすること」は、決して簡単ではないということです。
一度や二度、現場に行ったからと言って、本当の意味で、本音を伝えてくれることはありません。
現場での会話が「当たり前」になり、「声を届けたら動いてくれる」と思える信頼関係があって初めて、少しずつ本音を話してくれるようになるのだと思います。
現場の事実を見て、環境条件を変えるため、仕事の生産性を向上させるために、労使一体となって行動し続ける。その大切さを実感しています。
「本音で話し合える労使関係」は、当たり前にあるものではありません。80年という月日の中で、
先人たちが話し合いと行動を積み重ねてきたからこそ、今の私たちがあります。そんなトヨタらしい労使関係を、皆様と一緒に、しっかり守り育てていきたいと強く思います。
今、トヨタは、モビリティカンパニーへの変革を目指しています。その中心にあるものは、クルマです。
どれだけ時代が変わっても、クルマはお客様に愛される存在であり続けたい。クルマをもっと社会に必要とされる存在に進化させたい。その一心で行動していくこと、そして自動車産業のさらなる発展に貢献していくことが私たちの使命です。
大切なことは、私たちの「意志」だと思います。「もっと楽しいクルマをつくりたい」「新しいモビリティで移動をもっと便利にしたい」「みんながもっと笑顔で働ける職場をつくりたい」。そんな「意志」が行動につながります。やりたいことがあるからこそ、改善の知恵が出て、挑戦する勇気が生まれます。うまくいかないときは、悔しさを覚えて、もっと頑張ろうと思えます。
未来を変えていくのは、こうした「意志」をもったひとりひとりの「熱量」です。その熱量を最大化していけるよう、そして、未来を担う後輩たちに「トヨタらしさ」をしっかり受け継いでいけるように、今後とも労使で心ひとつに行動してまいりましょう。
最後になりますが、トヨタ自動車労働組合のますますのご発展と、組合員の皆さんの安全、心身のご健康を祈念して、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。
トヨタらしい労使関係のあり方を皆で考え、行動につなげていくきっかけにしていきたい
トヨタ自動車株式会社 代表取締役副会長
佐藤 恒治